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そうだ!ニュージーランド行こう!

〜52歳フツーの主婦がニュージーランドひとり旅で見つけた大切なこと〜

プロローグ

~旅の始まり「そうだ! ニュージーランド行こう!」~

50歳を過ぎてからの旅は、思いもかけない形で始まった。まさか私が半年も海外を旅す ることになるなんて! 当の本人が一番びっくりしている。でも、海外に一度は住んでみ たいなとずっと思っていた。誰かが海外に住んでいたと聞くと、とても羨ましく思ってい た。

「そんなの夢のまた夢。いつか時が来たらできることもあるかもしれない......」くらい に思っていた。それが、当時ビジネスコンサルティングをお願いしていたSさんのこんな一言から始まったのだ。

「そんなに行きたいなら半年くらい行ってくればいいじゃん。半年も行けば自分が何がし たいのか、どうなりたいのかがわかるんじゃない?」

今思えば、この言葉を聞いた瞬間から、この旅は始まった。


「まさか半年も!? そりゃ長く行ければ嬉しいけど......」と思ったが、半年ニュージーラ ンドに行くというのはあまりにも予想外。でも、半年ニュージーランドで過ごせる! と 思っただけで、私の心は高鳴り続け思わず「そうですよね!」と言う自分がいた......。

 2016年は、私にとって大きな転換期の1年だった。あることをきっかけに、それま でのセラピストという仕事を基盤にして、もっと安定したビジネスを展開していきたい! と強烈に思い始めた年だった。その頃ちまたでよく言われていた〝起業女子〟に目覚めたの かもしれない。とにかくこの時の私は、経済的に自立すること以外に道はないんだ! と 思い、その道を突き進んでいた。それまでマイペースでやっていた私だったが、まるで火 がついたように、一気に動き始めた。一度火がつくと、今度は止まるまで走り続けてしま う私。これまた面白いように、ある方を通じてSさんのビジネスコンサルティングを受けることができ、6月から半年間自立への道を歩き始めることになった。

ビジネスコンサルティングが始まってから、それまで趣味の延長線だったセラピストと しての仕事をきちんと見直し、一から組み立てていく作業が続いた。その作業は、一見今ま であるものをきれいに整理し、順序立てて作り変えているように見えて、実はとても奥が 深かった。自分の中にあった様々な迷いや恐れと向き合わざるを得ない、そんな作業だっ た。かなり苦しい時もあった。頭の中では、「ビジネスの基盤を作るために必要なことなん だ」と認識はしていたが、心はそう捉えてはいなかったようだ。なぜ自分がセラピストと いう仕事をしているのか、クライアントにどうなっていってほしいのか、いくら稼げれば いいのか、など自分の一番大切な基盤となるところと終始向き合う、そんな半年を過ごし ていたある時、どうにも前に進めなくなってしまった。アクセルとブレーキを一緒に踏ん でいるような感覚だ。前に進まなきゃ! と思いながらも、心がついていかない。苦しい 時期が続いた。「でも、これはきっとみんなが経験することで、通るべき道なんだ」と自分 に言い聞かせ、前に進んでいった。まるで強風の中、必死に飛ばされないように前傾姿勢のまま歩く人のように。

 全身を緊張させ、ガチガチのまま3カ月程経った時、前の年から決めていたニュージー ランドフラワーエッセンスのワークショップに参加するため、ニュージーランドを初めて 訪れた。ニュージーランドに行きたいとずっと思いながら10年近く経ってようやく叶った 旅行だった。

行ってみるとあまりに居心地がよく、それまでの緊張がすべてほぐれていくのがわかっ た。ワークショップでは、ニュージーランドの大地や木々や植物と繋がるためのワークをた くさん体験し、そこで得られた感覚が自分にとってはあまりに衝撃的だった。ニュージー ランドの自然と繋がることの心地よさや、自分の魂が喜んでいるのを感じつつ、その感覚 に戸惑いさえ覚えた。それまでに感じたことがなかった初めての体験だった。数日間そん な時間を過ごし、日本に戻った時のことを考えてみても、前と同じようなことができる気 がまったくせず、できる自信もなかった。日本に戻り、正直に何を感じたか、どうしたい のか問うた時、できることなら感じてきたものをもっともっと深く感じたい! その想い をSさんに伝えたところから、「半年ニュージーランドへ」という案が出てきたのだった。

それは、私の想像をはるかに超えたものだった! 半年 一人でニュージーランドを味わいに行く! あまりに魅力的すぎるその言葉を聞いた瞬間に、私の頭の中に彼の地に いる自分の姿がありありと見えてきた。心に広がるなんとも言えない感覚。気づくと涙が ほろほろと落ちてくるではないか! この時、「あー私は本当に行きたいと思っているんだ ね」と自分でようやく認めることができたのだ。

 セラピストとして何を提供していくのか? というビジネス云々の前に、あなたは自分 の人生において、本当にやりたいことは何ですか? と問われていたのだと思う。私が本 当にやりたいことがセラピストという職業だけではないことが、何となくわかり始めてい たこの時、突然やってきた、いや、自分が求めていた道にようやくたどり着いたのかもし れない。そしてその道は、今始まったばかりなのだ。この年にしてもう一度自分探しの旅 をニュージーランドという大地で体験する。しかも一人で! 英語もできないのに! け れどその時の私には、なぜかできない気がしなかった。行ったら何かがわかる! そんな 根拠のない確信だけが私にある唯一わかるものだった。そんなあやふやな感覚にすべてを 託してみよう! そう決心して今に至る。

  6月中旬に始まった旅。もうすでに1カ月半が経とうとしている。この1カ月半は、自分の中のいらないものを捨てていく時期だったような気がする。どんどんとそぎ落として いく感覚は、なかなか日本では体験できないことだ。非日常の中に自分を晒すのは、自分 の観念や常識を一旦バラバラにし、生きるために必要なものだけをピックアップして組み 立てていく感じで、それは面白い作業である。このような時に自分はどこまでも苦難を好 むタイプだなと苦笑いする。そもそも50 歳を過ぎて一人、お金もないのにニュージーラン ドを旅しようとは、普通の人は思わない。これはそんな私の旅行記でもあり、自分史でも ある。こんなことをやっている面白い人と思っていただければ幸いだ。

初めて何万字も書いたわ、、、という体験。せっかくなのでこれも一部抜粋してアップすることにしました)

2016.6.14から5ヶ月間のひとり旅に出た私。この本は、お金も仕事も知り合いもいなかった私が、どうやって行けたのか?そこで得たものは何だったのか?について書いています。道中の話やたくさん撮ってきた写真は今回はなし。次に出る本(希望的観測、笑)で書けたらいいなと思っています。よかったらお手にとって見てくださいね♪
 

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